現在の手形制度は日本独自の制度が発達したものではなく、明治以降に欧米諸国から輸入したものです。明治5年の国立銀行条例に基づく国立銀行が預金者に発行する振出手形は一時通貨の役割を果たすほど盛んに流通し、国立銀行も150行を越え、その結果発行の弊害が生じるようになりました。明治12年には発行が制限されるようになって減少しましたが、当座預金勘定が創設されると、「小切手」と名前を変えて再び流通するようになりました。第一次世界大戦後、国際連盟において、手形法・小切手法の統一問題が研究され、手形及び小切手の統一法を作るための条約が成立され、日本もこの条約に加わって国内法を改正しました。昭和7年に手形法、昭和8年に小切手法を制定し、いずれも昭和9年から施行しています。これが今日の手形・小切手制度の原点となっています。