手形を振出す際に、支払期日や受取人の名前を間違えることがあります。手形を振出す前に気づいた場合は新しい手形を切り直すべきです。
なぜならば、振出人の訂正印だけで訂正できるのは、手形を受取人に渡す前だけだからです。手形をいったん受取人に渡した後であれば、受取人の同意が必要です。その手形が第三者に裏書譲渡されていた場合は、受取人とその第三者の訂正についての同意が必要です。もしも同意が得られなければ訂正前の文言に従わざるを得ないのです。
つまり、他人の権利や義務に影響を及ぼさない事前の訂正や抹消は自由にできますが、影響を及ぼす事後の訂正、抹消については、その他人の同意が必要になります。同意が得られたら下記の要領で訂正、抹消します。
- 訂正前の記載がわかるように、訂正箇所を2本線で抹消する。
- 2本線の上に振出人の印鑑を押す。(振出人の印鑑で無い場合、変造した手形と間違われやすく、支払銀行に支払ってもらえないことがあります。)
- その上もしくは下に正しい記載をする 。
権限の無い人が訂正・抹消をすると有価証券変造罪に問われることがあります。 また、手形金額の訂正は許されません。手形金額を間違えた場合は、新しい手形を切り直さなければなりません。