手形は、手形振出人が手形の受取人等との商取引の決済の手段等として、手形用紙に金額や支払期日、支払場所などを記載した上で署名署名捺印して手形受取人に対して交付することで成立する有価証券です。手形受取人はこの手形を支払期日まで待って支払場所に支払呈示をすることもできますが、支払期日までに他の取引の決済として当該手形を裏書譲渡することがあります。この裏書による譲渡も、裏書人、被裏書人、指図文句などを記載して交付することで成立します。
この裏書により手形が流通することが想定されているため、手形の裏書が連続している場合には、当該手形を所持する者について権利者である推定が働きますし、また不渡りの際には各裏書人の担保責任追及をすることが可能となります。この裏書の連続の有無は判例上は記載により形式的に判断され、手形記載以外の事実関係によっては左右されないとしています。このような見解の下では裏書をする際に注意する点として英語表記があります。
例えばA商事という受取人が、裏書する際にエー商事とカタカナ表記してしまうような場合については、形式的に字画が異なるので連続性が否定されてしまいます。英語とカタカナ表記は同じものであるという手形外の事実を考慮しないと連続性が認められないからです。ですので裏書の際には英語表記があるものについては正確に記載するように注意しましょう。また、このような手形を交付された際には裏書の連続が認められるように訂正を求めるようにしましょう。
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